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【今週一冊コレ読もう!】小説でしか味わえない面白さ!告白 湊かなえ

ゴールデンウィーク明けの憂鬱な一週間を乗り切った皆様、

今回の【今週一冊コレ読もう】湊かなえの「告白」です。

 

 

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概要

 

 

タイトル:告白

著者:湊 かなえ

発売日:2008/08/05

ページ:320p

 

あらすじ

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

 

 

 

3つのおすすめ

①「告白」を繋ぐ、小説独特の面白さ!

②ゾッとして名著

③構成でみせる超展開

 

①「告白」で繋ぐ、小説独特の面白さ! 

はじめにこの本は、週間文集ミステリーベスト10で1位、本屋大賞でも1位を獲得し、超ベストセラーとなった湊かなえのデビュー作です。松たか子主演で映画化もされたので、映画は見たと言う方もおられるかも知れませんが、名前だけでも聞いた事があるのではないでしょうか。とにかく、めちゃくちゃ売れた本です。

 

本に限らず、よく売れているものに対してアンチ的な反応をされる方がいらっしゃいますが、他はさておきこの告白に関して言うと、そんなことは言えないのではないかと言うほど面白い作品です。他の湊かなえ作品に比べれたら…他のミステリーと比べたら…比べてどうかではなく、「告白」と言う作品が素晴らしい作品でした。

 

さてあらすじでも書かれていますが、女性教師の「告白」からこの物語は始まります。一つの事件を中心に語り手ごとの角度から発せられる「告白」は、時にわがままで身勝手なものもありますが、全体を通して最後には一つにつながっていきます。

 

この本を読んでいる途中から思っていたことですが、この小説は小説だからこそ面白いと思います。

 

とにかくこの小説は語り手が「告白」をしていきます。

告白ですから、それは会話のように双方が語り合うものでもなく、シーンとして移り変わっていくものでもありません。あくまで語り手が目の前にいて、こちらに対して発言を求めず、人すらに一方的に投げかけられるものです。

 

何が言いたいかと言うと、とても現実離れした状況なんですよ。

 

ただただ語り手が言いたいことを言っていて、聞き手は聞いているだけ。

どこかで誰かが話していると言うことも、その人の話の中での事柄で、映像としては語っている人が画面からこっちに向かって話しているだけで、そんな状況映画でもドラマでも、こと日常生活でも、そう滅多に起こることなんてありません。

 

いつでも話には相手がいて、キャッチボールが発生します。

でも告白にはそれがありません。

その現実離れした状況に引き込んでくれているのが、小説という形態であり湊かなえの技術であるとも思うんです。

 

②ゾッとして名著 

この小説は、題材が題材だけに最初から最後まで清々しい気持ちで読み切れる本では正直ありません。

 

告白してる人物の中には、聞いているこっちが気持ち悪くなるものもありますし、逆に同情していたわってあげたくなるような人、如何しようも無い現状を哀れんでしまう人など様々です。

 

そんな幸せ一杯とはとても言い難い混沌とした世界の中で、この小説は輝きます。

読者を驚かせてきます。

読者を惹きつけ続けます。

 

ずっと爽快で気持ちよく爽やかな訳では全くないのに、本を開いて気づけば最後まで進んでいる、ゾッとする名著です。

 

③構成で見せる超展開

先ほども述べましたが、代わる代わる小説の中で告白を続ける登場人物達は時にわがままで身勝手です。

 

ただ告白をする登場人物達はそれぞれが自分の見えてるものだけを見て、各々の価値観でこちらに語りかけてきます。軸となる事件がとても大きく重いものですので、告白も半端な熱量ではありません。自然と読んでいるこちらも告白に、告白している人物に引き込まれていき、同情や怒りを覚えていくことになります。

 

その流れの構成が驚くほど惹きつけられ、ベストセラーになるのも納得の没入感を生み出しています。伏線が張ってあって驚く、裏切りがあってびっくりする、ミステリーですしそういう面ももちろんありますが、それ以上に自分の気持ちの移り変わりに驚くことになるのではないでしょうか。

 

小説に限らず、物語には好きなキャラ、嫌いなキャラは絶対に出てくるものだと思いますが、これほどまでに揺さぶられる作品が他にあるでしょうか?別に裏切られてるわけでもありません。ただただ告白を聞いているだけです。でも知れば知るほど、さっきまでの感じ方の違いに自分自身が驚くことになるはずです。

 

自分自身の感情に伏線をはられてしまう、そんな奇妙な感覚を楽しめると思います。

 

まとめ

私自身本は好きですが、読みやすい読みにくいというのはもちろんあって、それは本をあまり読まない人が読めるか読めないかというところにまで結びつくものだと思っています。

 

私は元々本が好きなので読みにくかろうが最後まで読みますが、読書がそれほどスクじゃない人だったら、そんなことせずに途中でやめてしまうのが普通で当然だとも思っています。

 

例えば京極夏彦京極堂シリーズの1作目となる姑獲鳥の夏なんて、一応ミステリー小説なのにはじめの100ページは京極堂と関口が骨壷に入ったお菓子を食べながら小難しい話をダラダラしたりしていて事件すら起きません。そこから事件が起きて、さらに解決まで500ページ近くかかります。

 

それを読みきった後に来る感動と中毒性のある世界観は格別で、シリーズ全て文庫で1000ページ近くある半端ない本ではありますが、びっくりするほど面白い作品です。ただ、読書の好き好き以前に、京極夏彦の好き好きにも関わってくる部分ではあるとも思いますが、読書が好きじゃないと言っている人に勧める時に、「読みにくいって思うかも知れんけど、読み終えた先のこの感動のために頑張って!」というのも難しい部分はあるとも思っています。

 

もちろんどんな小説でもそういう一面はありますし、そもそも読まないという人も多いかと思いますが、そんな中でもこの作品はどのシーンもだらけることなくしっかり結末を見届けられる作品だと思います。

 

1ページめくれば、気づけば320ページ本を普段読まない人はそんな思いで手にとっていただきたい本です。

 

そしてそれをきっかけに、本の世界にハマってもらえれば私としては本当に嬉しい次第でございます。